キャッシュフローの読み方 練習帳 › 第1課
第1課 利益と現金はなぜずれるか
P/Lの利益と、手元の現金の増減が一致しない理由を見ます。
この練習帳の「サンプル商事株式会社(架空)」は、説明用に作った卸売業の架空の会社です。数字もすべて架空の数値で、実在の会社の決算とは関係ありません。B/Sの読み方 練習帳と同じ会社・同じ数字を使います。金額の単位は百万円です。
C/F(キャッシュフロー計算書)は、1年間に現金がどこから入り、どこへ出たかをまとめた表です。
P/Lの利益と、手元の現金の増減は一致しません。サンプル商事の第2期は、当期純利益が の黒字でした。それでも現金預金は から に減っています()。
ずれが生まれる四つの理由
掛け売り
売った時点で売上と利益になります。現金が入るのは回収日です。売掛金や手形が増えるほど、利益より現金が少なくなります。
在庫
仕入れた商品の代金は払っても、売れるまで費用になりません。在庫が増えるほど、現金が先に出ていきます。
減価償却
設備の代金は買った年に出ていきます。その後は毎年、現金の出ない費用として利益を減らします。
借入と返済
借りれば現金は増えますが、利益は増えません。返済で現金は減りますが、費用にはなりません(利息だけが費用です)。
黒字倒産
会社が潰れるのは、赤字になったときではありません。払う日に現金が足りないときです。
- 仕入価格が上がる局面で在庫と売掛金が膨らむと、利益は出ていても現金は細ります。
- そこへ支払手形や電子記録債務の期日が来ます。払えなければ不渡りになり、取引が止まります。
- こうして、P/Lは黒字のまま倒れることがあります。これが黒字倒産です。
利益は「稼いだかどうか」、C/Fは「払えるかどうか」を見る表です。両方を並べて読みます。